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熊本県宇城市不知火町で自然農法・有機栽培に取り組むトマト農家の日記。農場での日々のことを中心に、お野菜情報・野菜ソムリエ直伝のおいしいレシピ・イベント情報などなど綴っていこうと思っております。
文化の日の今日は、読書の秋にちなんだ話題を。。

皆さんは、大岡信さんの言葉の力というエッセイを読んだことはありますでしょうか?

京都の嵯峨に住む染織家志村ふくみさんと、筆者の大岡さんの、桜の花で染めた着物についてのやりとりについて書かれたもので、国語の教科書で読んだことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。


***本文より***

京都の嵯峨に住む染織家志村ふくみさんの仕事場で話していたおり、志村さんがなんとも美しい桜色に染まった糸で織った着物を見せてくれた。そのピンクは淡いようでいて、しかも燃えるような強さを内に秘め、はなやかで、しかも深く落ち着いている色だった。その美しさは目と心を吸い込むように感じられた。

「この色は何から取り出したんですか」
「桜からです」

と志村さんは答えた。素人の気安さで、私はすぐに桜の花びらを煮詰めて色を取り出したものだろうと思った。実際はこれは桜の皮から取り出した色なのだった。あの黒っぽいごつごつした桜の皮からこの美しいピンクの色が取れるのだという。志村さんは続いてこう教えてくれた。この桜色は一年中どの季節でもとれるわけではない。桜の花が咲く直前のころ、山の桜の皮をもらってきて染めると、こんな上気したような、えもいわれぬ色が取り出せるのだ、と。

 私はその話を聞いて、体が一瞬ゆらぐような不思議な感じにおそわれた。春先、間もなく花となって咲き出でようとしている桜の木が、花びらだけでなく、木全体で懸命になって最上のピンクの色になろうとしている姿が、私の脳裡にゆらめいたからである。花びらのピンクは幹のピンクであり、樹皮のピンクであり、樹液のピンクであった。桜は全身で春のピンクに色づいていて、花びらはいわばそれらのピンクが、ほんの先端だけ姿を出したものにすぎなかった。

***

「読書の秋」なのに「春の話題??」と思われた方もいるかもしれませんが、この話、ナスにも同じことが言えます。

皆さんは、ナスが実際に生えているところをご覧になったことがありますか?



この写真のように、花はもちろん、茎や葉脈が、濃い紫色をしています。
ナスにとっての紫色は、桜にとっての桜色と、同じなのです。
ナスを観察していて特に感動するのは、成長点という「先端部での伸長方向の成長を行う部分」を見たときです。
葉っぱそのものの色は緑色をしているのですが、この成長点の部分については、ナスと同じ濃い紫色をしているのです。
ナスの色も、その実・その花だけだでなく、全身全霊をかけて生み出した色なのです。
天芯農場のナスも、最盛期を迎えた今、濃いきれいな紫色をしています。



この濃い紫色のもつ生命力を感じながら、文化の日にぜひナスを味わっていただきたいと思います。

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[2011/11/03 10:00] | ナス
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